冬季八ヶ岳縦走記 part3

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登山記(冬)

冬季八ヶ岳登山 東天狗岳〜硫黄岳〜赤岳の縦走記録です。季節は1月中旬。

ルート

(出発)赤岳鉱泉〜行者小屋〜地蔵尾根〜▲赤岳〜文三郎尾根〜行者小屋〜美濃戸(下山口)

まずは、赤岳鉱泉から行者小屋へ。いよいよ期待の赤岳!と思いましたが、この日は昨日の晴天と打って変わっての曇天。赤岳稜線は風が強いので、どうなるか心配です。あまりに厳しいそうな状況なら撤退することも視野に入れつつ、行者小屋へ向かいます。

見えてきた行者小屋

行者小屋に到着

赤岳鉱泉は冬季も賑わっていますが、行者小屋は冬季閉鎖しています。ただ、テント場が広いのでテン泊の人は多い。トイレは使用可能です。


頂上は過酷そう…
クライミングパーティーのテントがありました

地蔵尾根

地蔵尾根を通って赤岳の稜線を目指します。しばらくは樹林帯。そこを抜けると徐々に風が強まってきます。夏に行ったことのある人ならわかると思いますが、地蔵尾根は急峻な岩尾根。そこに雪が降り積もって、岩、雪混じりの道になっているので滑落には要注意です。鎖のてすりがところどころ、設置されていますが確実なアイゼン、ピッケルワークが要求されます。危ないので下山には使うのはお勧めしません。

樹林帯の雪道。人もすくなく、雪が降ったのでトレースが少し不明瞭に。通行には問題ありませんでした。
 
樹林帯を抜けると強風の岩尾根。落ちたら止まれなさそうな感じです
地蔵が見えたら稜線到着!

赤岳稜線

とにかく風がすごい!初めて冬に来た時はこの強風にヒビってヘトヘトになりましたが、2回目の今回は強風も想定済み。過酷な状況を楽しむ余裕すらありました。前回は空は晴天で暖かかったのですが、このコンディションでどこまで耐えられるのか試す良い機会だと思い、赤岳を目指して突き進みます。

稜線を少し進むと赤岳天望荘が見えてきます。この日は天望もくそもない感じでしたが。

天望のない赤岳天望荘

赤岳頂上

天望荘から少し進むといよいよ赤岳の頂上!途中クライミングで登ってきたと思われるパーティーに出会いました。こっちは必死に強風に耐えながら歩いている中を、涼しい顔でにこやかにすれ違っていくクライマーたち。頂上直下には赤岳頂上山荘、頂上には赤岳神社の祠があります。祠は二つ並んでいますが、どうやら右側が本物(?)の赤岳神社の祠だそうです。自分は間違って左側に参ってました!

下山は文三郎尾根で

ようやく下山。帰りは、赤岳ファンにはマムートの階段でおなじみの文三郎尾根。雪で埋まって階段はほとんど見えませんでした。下れば下るほど風がおさまってきて、稜線とはかけ離れた平和な世界に戻っていきます。風がないだけで嬉しいって素敵!再び行者小屋に到着。

南沢を通って、美濃戸山荘を目指します。美濃戸山荘からは、赤岳方面に2本のルートが出ていて、北側の北沢は赤岳鉱泉へ、南側の南沢は行者小屋へつながっています。雪の南沢は所々、凍りついている部分もあって歩きにくいです。岩が露出しているところも多いので、12本爪だと歩きにくいような感じで、軽アイゼンやチェーンアイゼンがあると便利そう。

美濃戸山荘を過ぎると赤岳山荘。ここまできたらあとは林道、一安心!とならないのが八ヶ岳。赤岳さんそうからバス停までの林道は山荘への車が出入りするため、道がアイスバーンになってめちゃめちゃ歩きにくいのです。微妙な傾斜がじわじわと足の体力も奪っていきます。前回来た時は帰りの林道も12本爪アイゼン履いてました…。ですが、今日は雪が降っています!氷の上にうっすらとですが、雪が降り積もり、それが滑り止めとなって歩きやすくなっています。露出している氷に気をつけながら、雪を踏みしめて下山。

道路に出ると美濃戸高原ロッジ。普通はここでバスの切符を買って、バスで茅野駅へ向かうのですがコロナの影響でんバスは減便。今回はタクシーで富士見駅へ向かいます。ちなみに、茅野駅よりも富士見駅の方が近いです。特急が止まらないので、富士見駅→小淵沢駅と普通電車を乗り継がないといけないデメリットはありますが、タクシーの料金を節約するなら富士見駅がお勧めです。美濃戸高原ロッジでタクシーを呼んでもらいました。さすが、長野のタクシードライバーは雪道の運転も華麗でした。ちなみに、運転手さんも少し雪が積もっている方が滑り止めになって運転しやすいそうです。

美濃戸高原ロッジ→富士見駅 タクシー約4500円。

3年ぶり、2度目の雪山でしたが、すごく楽しめました。前回来た時は足が冷たいのと経験したことのない寒さでヘロヘロでしたが、今回は精神的にも余裕ができて良い山行でした。雪山に対して、ちょっと自信をつけることができました。八ヶ岳は人も多いので、冬山縦走入門に良いと思います。ただし、のんびり稜線に出るならのんびりスノーハイクとは程遠いので、それなりの覚悟と体力は必要です。

使用ウェア・グッズ

  • アウター:【Patagonia】フーディニ + 【Phenix】 Spantik 3L Jacket
  • ミドルレイヤー:【Patagonia】キャプリーン サーマルウェイト Zip フーディー
  • ベースレイヤー:【icebreaker】oasis 200 ロングスリーブ(メリノウール)
  • ベースレイヤー:【finetrack】スキンメッシュノースリーブ
  • 下着:【グンゼ】化繊パンツ
  • タイツ:【おたふく手袋】ボディータフネス
  • パンツ:【finetrack】ストームゴージュ
  • 靴下:【Smartwool】Mountaineering Extra Heavy Crew
  • 靴:【LOWA】アルパインエクスパートGT
  • アイゼン:【Grivel】G12 ニューマチック(セミワンタッチ)
  • ピッケル:【Climbing Technology】Alpine Tour S (55cm)
  • ザック:【Gregory】バルトロ75
  • テント:【oxtos】一人用ツェルト
  • マット:【サーマレスト】リッジレスト ショートサイズ

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