山に登るようになって8年。
テント泊や雪山縦走もやるようになってきましたが、始めてクライミングデビューしました。といっても、講習を受けてきただけですが。
講習内容はトップロープでのビレイ。クライミングの基礎中の基礎です。自分への復習もかねて記録しておきます。
講習内容は岩の登り方ではなく、とにかく確実にトップロープをビレイできるようになるための講習でした。
講習で教わったことは
- ①ハーネスの装着方法
- ②ハーネスへのロープの結び方(フォロースルーエイトノットの結び方)
- ③ビレイ方法
- ④ビレイヤーとの声かけ
です。
①ハーネスの装着方法
基本的なことなのですが、ベルトの端をきちんと折り返しループに束ねておかないと危険。
レッグループの締め具合は手のひらが入るくらいの厚み分余裕があって良いそうです。そうでないと、足を上げたりする時に動きにくくなると。
また、ロープを結ぶタイインポイントがきちんと正面に来ているか、後ろ側も中心線が真ん中に来ているか。レッグループがひっくり返っていないか。←結構ありがちだそうで、実際に講習中にも、トイレに行った方が戻ってきた時レッグループがひっくり返っていました。
クライミングを始める前に、パートナーと確認し合うことが重要です。
確認箇所は
・ハーネスの折り返しはきちんと折り返されているか、ベルトループを通っているか。 ・レッグループが裏返っていないか。 ・体の中心に来ているか。(後ろ正面のロゴやループが、腰の正面にきているか。)
②ハーネスへのロープの結び方(フォロースルーエイトノット)
ハーネスへはタイインポイントを確実に通してフォロースルーのエイトノットで結びます。
ビレイループに結んだり、片側のタイインポイントしか通していなかったり、ましてやギヤループに結びつけるなど論外です。
ハーネスの説明書には必ずイラスト付きで書かれていますが、ビレイループにや上のタイインループだけに通す間違いは分かるとして、ギヤループに通すやつはいないだろと毎回思ってしまいます。
今回の講習でエイトノットの結び方について、新しく学んだことがありました。
それは、ノットの中にロープがクロスする場所ができてはいけないということ。
以前、一度室内クライミングの講習をうけたことがあり、その時にエイトノットの結び方は覚えたつもりになっていましたが、ロープのクロスのことについては教わっていませんでした。
ノットのクロスした箇所に荷重が集中してしまい、ロープ破断の危険があります。
講習を受けたのは10年ほど前なので、当時はそれほど気にされていなかったのか。先生の流儀なのかはわかりませんが、全ての箇所で2本のロープが並行になっていることが重要。
現実にはよほど古いロープや細いロープでない限り、ロープがクロスしてしまっただけで即破断という可能性は低そうですが、何かあれば即、死に繋がるスポーツ。
少しの手間で危険性が減らせるのであれば、それに越したことはありません。
確認箇所は
クライマー ・ロープがきちんと2つのタイインポイントを通っているか。ビレイループへの接続は× ・エイトノットにねじれがないか。末端の長さ、末端処理は問題ないか。
③ビレイの方法
ビレイにはブラックダイアモンドのATCやペツル のルベルソといった、ビレイデバイス=ビレイ器を使用します。
エイト環でもビレイ可能らしいですが、もはや古の技術だと思います。
ビレイ器は安全環付きのHMS型カラビナ(サブゲート付き)でビレイループに接続します。
カラビナのゲートと反対側を「スパイン」と呼びますが、スパイン側が利き手側に来るように。
これは、利き手でロープを操作した時に誤って安全環のロックを緩めてしまう事故を防ぐためです。
カラビナは必ずHMS型を使用すること。通常の変形D型カラビナだと、クライマーが墜落した時にロープを正しく制動することができません。
また、ビレイ中にカラビナが横転したり反転してしまうことを防ぐために、サブゲート付きのカラビナを推奨します。
カラビナの向きが変わってしまうと、マイナーアクシス方向(横方向)への荷重がかかり、対荷重が下がることと、ロープが安全環に接触してしまう危険性があります。
ビレイ器はロープを通すための穴が二つ空いていて、ダブルロープシステムのように2本のロープを使う場合は両方に通しますが、トップロープ でのクライミングの場合、ロープは一本なので片側だけに通します。
この時、左右の穴のうち利き手側に通しておくと、ビレイがスムーズに行えます。
ビレイ器の種類にもよりますが、一般的なATCやルベルソの場合、クライマー側のロープとビレイヤー側の手元のロープを通す方向が決まっています。
ギザギザのついた方がビレイヤーの手元側。手元のロープを下方向に下げて保持することで、ギザギザが摩擦力を高めてロープを確実にロックします。
クライマー側のロープが出ている方(の手)をブレーキハンドと言います。
トップロープはクライミング中は基本的にロープを手繰るだけなので、両方の手をブレーキハンド、つまりクライマーにつながっているロープと反対側でロープを握っておきます。
両手をブレーキハンドでロープを握ることで、ブレーキ側のロープから手が離れる瞬間を0にできます。
また、ビレイ中はロープの流れによる火傷防止のため、ビレイグローブが必須です。各社から専用品も出ていますが、皮製のグローブであれば代用可能です。
確認箇所は
ビレイヤー側 ・ビレイ器の向きは正しくロープにセットされているか。 ・ビレイ器は安全環付きカラビナでハーネスのビレイループに接続されているか。(安全環のロックも確認)
④声かけ
クライマーとビレイヤーの声かけは大事です。
登り始めは「登ります。」
墜落しそうになったときや、途中で手を休めたいときは「テンション」と声をかけます。ビレイヤーはロープを巻き取るか、後ろに下がってロープにテンションをかけます。
登りきった時にも、クライマーは「テンション」を声かけ、ビレイヤーはロープのテンションを張ります。
足場を確認して、クライマーは「下ろしてください。」と声かけ、ビレイヤーは「下ろします」といって、ロープを送るもしくは前進して、ビレイヤーを下ろします。
クライマーが降りきったら、クライマーは「ビレイ解除」。ビレイヤーは「ビレイ解除します。」といって、ビレイ器からロープを解除します。
お互いによく観察しあって、登っている時にロープがたるんだりしないように。
クライミングは一つのミスが死に直結します。二重、三重のバックアップと確認を忘れないようにして無事故で楽しみたいです。
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