ツェルトとは筒のような形の1枚のナイロンでできた簡易テントです。
登山での緊急時に体にかぶせて保温したり、木にぶら下げたりして避難スペースを作るのに使う道具です。
緊急装備として「たとえ日帰り登山でも持っていけ」と言われたりしてますが、実際に使用する機会はほとんどないのではないでしょうか。
まあ、ツェルトを使わないといけない緊急事態って本当に生きるか死ぬかの遭難時だと思うので、使った時点でかなりやばい状況になってるってことですからね。
普段、めったに開けることのないツェルトですが、軽量な上に値段も安い(1万円程度)ので、テントの代わりに使用することを考えている人も多いのではないでしょうか。
私がツェルトを使い始めたのは、登山を始めたての大学生のころ。
4万円もする山岳テントを購入できず、1万円くらいで買えるツェルトをテントの代わりにしようと思って使い始めて以来、基本的に山ではツェルトで宿泊しています。
その経験から、山でテントがわりにできるのか、そして快適に使うためのちょっとしたコツをご紹介したいと思います。
テントがわりに使えるのか?-快適に使うためにはコツが必要
YesかNOで聞かれると「Yes」です。ただ、テントのような快適性は確保できないので、そのための工夫はいくつか必要になってきます。
ツェルト歴10年の私がたどり着いたを快適に使うコツ(というふどでもないですが)的なことを紹介したいと思います。
①天井のはり綱に自在金具を設置
メーカーにもよりますが、天井部のはり綱(細引き)に自在金具をつけておくと便利です。
これによりツェルトを設置するためのポールを立てる場所を多少自由に調整することができるようになります。
ツェルト使う上で一番ストレスになるのって、このポールな気がするんですよね。
入り口の正面に鎮座することになるので、とにかく邪魔。
大型ザックを出し入れするときとか、登山中最大のストレスといっても過言ではないくらい邪魔。
ポールと天井部をつなぐはり綱に自在金具をつけておくことで、何十センチか、ポールを入り口から遠ざけることができるようになるので、快適性がアップします。
②ポールのはり綱はポール側に自在金具を
テントにも言えることだと思うのですが、ハリ綱の自在金具って地面側についていることが多いですよね。
ペグで固定する場合はいいんですが、地面が硬いテント場の場合、石で固定することも多いです。(以外としっかり固定できます。)
小さい石にガースヒッチでハリ綱を固定した後、その上に大き石を乗せて固定すると外れにくいです。
ほかにも木とかにむすびつけることも多いですが、ことのとき、ポール側を自在金具で動かせるようにしておくと設置してからの調整がスムースです。
ツェルトってはった後に湿気でたるんできたりするので、テントよりも設置後にハリ綱を調整する場面が多いです。
地面側に自在金具を持ってきてしまうと、石で固定したときにハリ綱をうごかせなくなるので注意しましょう。(その場合、石そのものを動かすことでも対処できますが。)
③ポールはツェルトの高さ+αで
ツェルトを支えるポールですが、ツェルト自体よりも若干高め(10cmくらい?)のものを使うのがいいと思います。
というのもツェルトの快適性をあげるための大きなポイントが「幕のはり具合」だからです。
幕がうまく貼れずにたるんでいると、垂れ下がって内部の空間が狭くなったり、風でばたついてしまうため。
ポールとツェルトの高さが近いと、はり綱をピンと張っても水平方向にしか引っ張られないので、幕は上下方向にはたるんだままになってしまいます。
上に持ち上げるように貼ることで、幕のはり具合が格段に上がります。
地面の状態によっては、ポールの下に平たい石を置くのも良いです。
家の基礎のようになって、ポールの沈み込みがなくなります。
④はり綱はつかいやすいものに交換
ツェルト快適使用の肝は、天井部・ポール・ツェルト四隅のはり綱をいかに綺麗に張り切れるかにかかっています。
少しでも貼りやすくするため、はり綱は使いやすいものに交換するのがベストです。
具体的には、丈夫で、しなやかで、伸びにくいものが扱いやすいです。
アウトドアショップではり綱を比べて、使いやすそうなものを選んでください。
⑤収納ケースは大きめのものに変更
アウトドアグッズ全般に言えることですが、最初についてくるスタッフサックの大きさがぴったりすぎて使いづらいことがあります。
ツェルトの場合もそうで、朝の撤収時に露で濡れていたりするとスタッフサックに入れるだけでも一苦労します。
思い切って大きめの袋に入れることで、収納も楽になり、またザックの隙間に押し込むこともできるようになってより快適に使えます。
以上が私が思うツェルトを快適に使うコツです。
より快適なツェルト登山を!
コメント