リードクライミング 覚え書き

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先日のトップロープ講習に引き続き、リードクライミングの講習を受けてきました。

教わった内容の復習もかねて、内容をお伝えします。

トップロープでのクライミングより手順は少し煩雑になります。

①準備:ロープのハーネス接続、ビレイ器のセット
②登攀 1ピン目まで
③2ピン目以降の登攀
④登攀後:ロワーダウン手順

①準備:ロープのハーネス接続、ビレイ器のセット

クライマー側

ハーネスへの接続は、トップロープと同じくエイトノット(フォロースルー)でハーネスの2つのタイインポイントを通して結び、ダブルフィッシャーマンで末端処理。

ビレイヤー

これもトップロープと変わりません。ビレイ器の向きを確認してセット。

準備が終わったら、クライマー・ビレイヤー共にお互いの装備を確認します。

②登攀 1ピン目まで

ここから、トップロープとリードクライミングでやることが大きく変わってきます。

リードクライミング でクイックドローをかける場所を下から○ピン目と呼びます。つまり1ピンめは1つ目のクイックドローをかける場所。

メジャーなルートであれば、カラビナをかけるボルトが整備されています。

リードクライミング の場合、ピンにクイックドローをかけて、そこにロープを通すことで初めてビレイヤーに確保されます。なので、1ピン目にクイックドローとロープをかけるまではフリーソロ状態になり、落下すると地面に激突します。

スポット

これを防ぐためにビレイヤーは「スポット」を行います。スポットとは、落ちてきたクライマーをビレヤーが受け止めること。

ですが、落下する大人を手で受けとめることは不可能なので、厳密には「落下しても頭を打ったり、致命傷にならないように落下の態勢をアシストする」ことです。

具体的には腰のあたりに向かって両手を差し出しておき、1ピン目に届く前に落下した場合には空中で腰を支えて足から着地できるようにしてあげます。

このとき、ロープは両手にかけたままにしておき、1ピン目がかけられたら素早くロープのビレイに移れるようにしておきます。

クリップ

1ピン目がかけられたら、登りながらボルトにクイックドローをかけてロープを通すことを繰り返していきます。これを「クリップする」と言います。

逆クリップ・Zクリップに注意

クリップ時の注意点は2つ。逆クリップとZクリップです。

逆クリップとは、ロープをかける向きを逆にしてしまうこと。何が正しくて、何が逆なのかというと

クライマー側のロープがカラビナの外側、ビレイヤー側のロープが内側になるかけ方 が正しいクリップ方法です。

クライマー側のロープが内側になると、フォール(墜落)した時に、カラビナからロープが外れる危険性が高まります。

Zクリップとは、最終クリップとその1個前のクリップとの間にあるロープを新しいロープにかけてしまうこと。(文章で書くとわかりづらいですね。)

最終クリップとクライマーのハーネスの間のロープを次のクイックドローにかけるのが正しいクリップです。

③2ピン目以降の登攀

リードクライミングの場合、クライマーの登攀に合わせてビレイヤーはロープを送り出す必要があります。

ですが、送り出しすぎると墜落した時の落下距離が大きくなり、大フォールまたは最悪の場合、地面に激突するグラウンドフォールになりかねません。

基本はロープはテンションがかからない程度にキープしておくことが原則です。

逆に、クライマーがクリップする時には素早く必要なロープを送り出してあげる必要があります。

ビレイヤーのロープの送り出しが遅いと、クリップしたくてもロープが足りずにクイックドローにかけられなくなります。

たぐり落ち

クリップの直前は確保されていない時のロープの繰り出し量が最も多く、ロープがたるんだ状態になります。クリップできずに墜落すると墜落距離が大きくなるので、クリップ直前の墜落には要注意です。

これをたぐり落ちと言います。

クリップ時は片手になるので、態勢がきちんと確保できる状態になってからクリップします。

④登攀後、ロワーダウン

リードのルートには、トップロープの支点がつけられていることが多いので、そこまで登りきったら登攀終了です。

クライマーにつながっているロープを使ってロワーダウン(ロープにぶら下がって降りること)するのですが、注意点があります。それは、

ロワーダウンの支点は、トップロープ支点を利用すること。

最終クリップのクイックドローを使ってのロワーダウンは危険です。

なぜなら、支点のバックアップがなく、クイックドローのカラビナやスリングが破損したり、支点そのものが万一崩壊した時に、一気に大きな墜落距離でフォールしてしまうからです。

すると、直前のクイックドローに大きな荷重がかかり、それによって支点崩壊の連鎖が続いてグラウンドフォールしてしまう危険性があります。

ですので、ロワーダウンの際にはトップロープ支点を利用して2箇所に支点をとり、その支点を利用して降りてきます。

整備が行き届いている岩場には捨てビナがかかっていますが、練習で何度も上り下りする場合には持参したカラビナを使用した方が安全です。

カラビナはゲートの向きを互い違いにして2枚セットします。万一にもロープが外れることを防ぐのと、カラビナのバックアップの意味合いです。

捨てビナは普通のカラビナのことがおおいですが、練習の場合は安全環付きカラビナの方が良いです。

撤収時の最後のロワーダウン時のみ、安全を確かめた上で捨てビナを利用するのはありです。

クイックドローを回収

ロワーダウンの際、降りながらクリップに使用したクイックドローを回収しながらおります。次に登る人がそのクイックドローを再度使う場合はそのまま残しておりてきても構いません。

クライマーはクイックドローが回収できる位置まで降りたら、ビレイヤーに「ストップ」など声をかけます。

クイックドローは落下防止のため、ボルト側のカラビナだけを外してクライマーのロープにかかっている方のカラビナはそのままにして、ハーネス側にまとめておくと安全です。

地面に降りてきてからカラビナをロープから外します。

リードクライミング はトップロープよりも手順が複雑です。どちらも失敗した時の危険性(最悪の場合、死)は変わりないのですが、やることが多い分ミスの可能性も高まります。

しっかり練習して手順を体に染み込ませて、安全に登りたいですね。

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